商業登記簿謄本

 昨年末に社会保険を新規に開始した会社があった。必要な添付書類として商業登記簿が必要である。自然人の住民票と同じと考えれば添付は当然であるが、通常、全部事項証明書ということで発行されるためあくまで発行日時点の証明でしかない。ここで問題になるのは、この証明は有効かどうかである。社会保険労務士の仕事で管轄になる役所は、労働基準監督署公共職業安定所年金事務所などがある。労働基準監督署公共職業安定所は発行日から3カ月以内のもの(神奈川県の場合で他の地域は分からないが)としている。関連したところで、社労士で構成している労働保険事務組合の神奈川SR経営経営労務センターは移転していなければいつのものでも構わないというところもある。また、提出はコピーで構わない。しかし、年金事務所だけは異なり2カ月以内のもので原本提出(コピーの場合、原本を提示する必要があるとのこと)としている。

 先日、顧問先の事業場が移転したが登記に変更が間に合わず本店は旧事業の所在地で、実際の事業場は移転先という形になっていた。この場合の届出に新所在地が分かるものの添付が必要になる。労働社会保険関係は、実際に事業を行っている場所を重視するため登記上の本店所在地を社長の自宅で、事業場を別のところということは結構あり本店所在地と事業場の所在地で管轄が異なることはよくあることである。労働基準監督署公共職業安定所は、登記簿と異なる時は賃貸契約書などを添付する。年金事務所は、賃貸契約書だけではダメで本店所在地の変わっていない登記簿謄本の添付が必要とのことである。

 旧社会保険事務所の時は、何が何でも登記簿を添付しなければならないとか有効期限も緩やかだった。どうも、日本年金機構に変更してから、運用を全国統一した時に一番条件の厳しい地域に合わせたとしか思えない。行政機関が、書類の簡略化をしているご時勢なのに、書類の添付の厳格化は時代に逆行しているとしか思えない。私はいまだに社会保険庁を解体して日本年金機構全国健康保険協会に分割民営化したのかが理解できない。役人の天下り先を増やしただけで運営の合理化がなされているのか不明である。かえって不便を感じるのは社会保険労務士だけではないと思うのだが。
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