税制優遇制度

srtakahashi2011-07-29

 平成23年4月1日から平成26年3月31日までの期間に始まるいずれかの事業年度(以下「適用年度」)において、雇用増加数5人以上(中小企業は2人以上)、雇用増加割合※10%以上等の要件を満たす企業は、雇用増加1人当たり20万円の税額控除(当期の法人税額の10%(中小企業は20%)が限度)が受けられる雇用促進計画による税制優遇制度が始まる。

※雇用増加割合=適用年度の雇用者増加数÷前事業年度末日の雇用者総数

 税制優遇制度の対象となる事業主の要件としては、?青色申告書を提出する事業主であること、?適用年度とその前の事業年度に、事業主都合による離職者がいないこと、?適用年度に雇用者(雇用保険一般被保険者)の数を5人以上(中小企業は2人以上)かつ10%以上増加させていること、?適用年度における給与等の支給額が、比較給与等支給額(※)以上であること、?風俗営業等を営む事業主ではないこと、がある。

※比較給与等支給額=前事業年度の給与等の支給額+前事業年度の給与等の支給額×雇用増加割合×30%

 中小の事業主にとって20万円の税額控除は魅力はあるが、この条件結構ハードルが高い。まず?の雇用者数2人以上かつ10%以上の要件だが、短時間被保険者(週20時間以上30時間未満)の雇用でも可能ではある。しかし、?で比較給与等支給額以上であることが求められるため、賃金の高い者が退職してパート等で人数を増やすということで?の要件を満たすことができるが、?の比較給与等支給額で引っかかることが考えられる。また、前年度賞与を支給したが、本年度賞与を支給しない又は総支給額の大幅な引下げなどがあると困難であると思われる。

 雇用の促進ということで考えられた試みで、助成金や奨励金でない税額控除ということは評価できる。しかし、雇用の受け皿である中小企業、特に数十人規模で行われないと雇用促進にならないと思う。また、企業も優遇目当ての短期間の採用だけで終わらないことを望みたい。

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