健康保険法改正

 来年健康保険法の改正が行われる予定である。改悪なのが、政府管掌健康保険の埋葬料が被保険者・家族とも5万円に一律支給に変更される。埋葬料は、文字通り死亡したときに支払われるものなので残った家族の問題になる。現在、被保険者は標準報酬月額(目安として1か月分の給料くらいの額)1か月分、被扶養家族の場合10万円受給できる。
 今回の引き下げに関して厚生労働省の考えは「埋葬に要する費用は、標準報酬と連動させる必然性に乏しく定額化を図ることとし、その金額については国民健康保険における葬祭費の平均額が約5万円であること等を踏まえて設定しているものであり、現金給付の重点化を図る観点からも見直しが必要と考えている。」とパブリックコメントで回答している。要は、「財源が厳しいし、国民健康保険が一律で低額しか払われていないから、それに合わせればいいじゃん」ってことなのか?
 社会保険労務士の立場上、社会保険の適用を促進させることも仕事ではあるが、事業主負担もあるものなのに魅力のない商品ではますます健康保険・厚生年金(手続き上、同時に行なうので片方だけということは、70歳以上でなければ政府管掌健康保険は通常ありえない)が空洞化してしまう。ちなみに横浜市の埋葬費は7万円。健康保険の改正が行なわれればたぶん下げられるだろう。政府は5万円で葬式ができると思っているのか?