第三者委員会

 午後から社会保険労務士会厚木支部の研修会に出席する。夕方から賀詞交歓会を行うため厚木アーバンホテルでの開催。今日の研修は、年金の第三者委員会の委員をされているTさんが講師で、第三者委員会ではどのように審査して消えた年金を回復させているかを話された。
 Tさんは国民年金の部会とのことで、厚生年金については担当されていないとのことだが厚生年金に関しては脱退手当金の申し立てが多いとのこと。国民年金は昭和36年から始まった制度であるが、制度開始から平成12年までは市町村に事務委任していた。そのため、地域によって徴収方法が異なり本人の申し立てでその当時に住んでいた市町村に調査員が問い合わせや出向いて調査するそうである。例えば、農協で集金していたや市役所の窓口で納めたなど申し立てでも、○○農協では昭和○○年以前は集金は行っていないとか、市役所の窓口で預かるようになったのは昭和○○年からなど記憶違いで認められないケースが結構多いとのこと。また、国民年金手帳の番号の振り出された時期がわかるので記憶が確かかどうかは見分けられるようである。家計簿などを資料として出されるケースも多いとのことで、支払われた金額と時期が一致すれば認められるようである。
 しかし、過去3回行われた特例納付の判断が難しいようで、2年以上前の納付はできないが特別に国民年金の納付を認めたが、この時徴収を担当した者が着服したら何も記録がないため判断できないようである。
 極めて珍しい例として、国民年金信託という金融商品が信託銀行で販売されていたが、信託銀行の職員のミスで手続きがなされていないためしばらく番号が振り出されず、解約後かほぼ同時期に番号が振り出された時のそれ以前の記録の扱いなど難しい例が紹介された。この国民年金信託という商品、出席していた社労士全員知らなかった。年金制度は改めて複雑怪奇に思う。

 そもそも、社会保険庁がしっかり管理されていなかったことが問題で、それと合わせて年金制度を継ぎはぎだらけで複雑にした旧厚生省官僚と国会議員にも責任がある。どこかで線引きする必要はあると思うが、政治的決着できるだけの人物はいないだろうなと思う。