青春18きっぷの旅 その1

 昨日、どこかに行こうと突然思い立った。必須研修が終わり桜木町駅青春18きっぷを購入。1回あたり2,300円なので有効に使いたい。どこに行こうかと考え、昔から行ってみようと思った栃木県の大中寺茨城県虎塚古墳を1日で廻ることにした。

 朝5時前に起き、地下鉄の始発で戸塚に出る。東京行きの東海道線の乗り換え時間が4分しかないので階段を駆け上がる。東京行きの2番目の電車に乗車。幸い座れたが混んでいる。乗り慣れた区間なので熟睡。東京駅から上野駅まで出て、宇都宮線に乗り換えて小山へ。先に出る普通列車があるが、途中の久喜で後からの快速が追いつくので1本待って快速で行くことにした。これが正解で、たまたま乗った快速が合宿に向かう高校生(会話から宇都宮まで行くらしい)などが乗車し車内は混雑。おまけにロングシートなので旅の情緒はなく、これでは通勤電車である。小山に到着し、両毛線に乗り換え。乗り換え時間が3分しかないので、また走る。ローカル線は乗り遅れると次は1時間以上待つのはざら。両毛線の高崎行きに乗車。この電車も通学する高校生でいっぱい。次の思川とその次の栃木で高校生全員が下車。栃木は廃藩置県の栃木県の県庁所在地なので大きな町という感じで新しい建物が多い。栃木の次が下車する役である大平下。車窓は一遍。車窓から建物がほとんどなくなり、田園風景。たったひと駅でこれほど急に変わるのが面白い。

 大平下駅に到着。下車したのは私ともう一人。今朝8時半。ここから大中寺に向かう。あらかじめ地図をダウンロードしておいたが、道に案内の矢印があるのでそれに沿って歩く。もともとハイキングコースなのでその点は親切。途中の山道を歩くこと約20分、大中寺に到着。大中寺は江戸時代、上田秋成の『雨月物語』の中の青頭巾という作品に出てくる寺。『雨月物語』は怪異物語で、青頭巾は実際いた住職をモデルに書かれた作品。この寺には七不思議があることで知られ、怖いもの見たさもあり訪れてみたかった。七不思議とは「根無しの藤」「油坂」「枕返しの間」「不断のかまど」「馬首の井戸」「不開の雪隠(あかずのせっちん)」「東山一口拍子木」がある。解説はhttp://www2.ucatv.ne.jp/~jata-45.snow/q-daityu.htm
思ったより小さい寺だったので、山を登り約1時間半散策。というより、半分道に迷った。道を聞こうにも人が歩いていない。

 これが、「不開の雪隠」。本当に江戸時代からのものだと不気味。
 

 大平下駅から小山に戻る。次に乗る水戸線は30分の余裕がある。少し早いがお昼に。本来ならその土地の料理をと思うが小山の郷土料理は???店を探す余裕が余りないので近くのファーストフードで済ませることにした。ここで食べておいたのは大正解で、夕方まで食べる機会がなかった。

 水戸線で友部に向かう。車窓は、私鉄の沿線といった感じで取り立てて目を引く風景ではなかった。車内も子ども連れが多く騒がしい。友部から常磐線に乗り換え勝田へ。ここからひたちなか海浜鉄道湊線に乗り換える。乗り換え時間は10分。ローカル線の乗り継ぎなのに待ち時間はほとんどなし。勝田から中根に向かう。事前に調べておいたが、この中根駅はものすごいところらしい。駅前は何もなく秘境駅の一つと言われている。


 さて、駅はどこにあるでしょう。

 虎塚古墳は石室に色鮮やかな壁画が出土した東日本を代表する古墳だそうである。壁画の公開は春と秋だが、一度行ってみようと思い今回訪問した。もう一つは中根温泉というものがあるそうなので、ついでに入浴を。駅前に人どころか建物もないので、携帯のナビゲーションで古墳まで歩くことに。行けども行けども田んぼだけ。本当に目的地に向かっているのか不安。道を聞きたくても人がいない。往復する間、道で人にはとうとう会わなかった。歩くこと30分目的地の虎塚古墳に到着。きれいに整備されているが、石室が見られないのは残念。今度は一般公開のときに。ひたちなか市埋蔵資料館に立ち寄る。茨城県は古墳が多くあるそうで、また埋蔵品の状態もいいようである。埋葬された人骨も出土されている。
 
 帰りがけに中根温泉に行く。温泉のある旅館の前に高校生が大勢いる。東京の高校生で合宿のようで帰宅の準備をしているようである。この温泉はラジウム温泉とのこと。午後3時過ぎなので入浴客はおらず貸し切り状態。風呂上がりは暑い。帰り道の風はさわやかに感じる。店は、温泉のある旅館1軒だけで、飲み物の自動販売機が旅館と駅にあるだけだった。

 中根駅に着き勝田に戻る。まだ4時。帰るのにはまだ早いし、普通列車に乗っている限り12時を過ぎなければいくらでも乗れる。時刻表の地図をみてどこに行くか決める。水戸から水郡線に乗って郡山まで行こうかと思ったが今日中に帰れないので、水郡線の支線の常陸太田に行ってみることにする。郡山
行きに乗って途中駅の上菅谷で下車して、その間小腹がすいたので何か食べようと思った。しかし、飲食店が見当たらず駅前をブラブラし30分後常陸太田行きに乗る。

終点の常陸太田駅は本当に終着駅でここから先は鉄路はない。6分後には今乗った列車が折り返してしまう。乗り損なうと2時間近く待つことになるので、すぐ引き返す。ただ、列車に乗っただけになった。今度は、本当に帰ろうと思い、水戸から常磐線に揺られること約2時間で上野へ。家に着いたのは10時を少しまわったころだった。
 乗車した区間の運賃を計算したらJRだけで7,680円で、5,380円のお得だった。