解雇

 先日、顧問先の社長より解雇について相談があった。従業員の一人が飲酒後、社有車に乗り酒気帯び運転で取り締まりを受けたとのこと。さらに、会社に対して虚偽報告をしていた。この従業員、会社の運転管理者で警察に届けも出している。運転管理者の届け出を行っていないところが多い中、普通乗用車を5台以上保有しているのできちんと届けていることに感心した。それによって、酒気帯び運転が発覚したようである。
 会社としては解雇を考えているとのことだが、困ったことに解雇にしても雇用保険では自己都合退職より有利に受給できてしまう。今のところ、私のところにその従業員の氏名は聞かされていないのでわからないが、解雇の場合給付制限は受けないし在職年数によっては受給日数も増える。
 それでは、労働基準監督署長の即日解雇の認定を受けることも考えたが、事故を起こしたわけでもないしこの会社は運送業でないから、除外認定を出しても認定される可能性は低いと思われる。同様なケースで過去に裁判で解雇が有効とされたものがないと認定はされることはないだろう。
 解雇の手続きについては労働基準法で定められているが、解雇理由は民事的な争いになってしまう。民事的な争いの判断を行政機関はできないので、いた仕方ない。取り締まりのために定められた労働基準法だが、判断が簡単につかないものが多い。個人的には納得できない部分が多いが、会社には納得できる方法を教示していくしかない。